格段に介護が楽になる電動ベッド
起き上がりの動作って意外にしんどく感じたことはないですか?
そう、起き上がり動作ってそれなりに筋力を使うんですよ。
特に頭や背中をベッドから起こす瞬間から座るまでの間が本人や介護者の体へ負担をかけるのです。
起き上がりの介護をする際に異常に重たく感じることはありませんか?
理由を説明しますね。
寝ている姿勢は重心位置が低く究極の安定姿勢と言えます。
そこから座るとなると、低い位置から高い位置へ重心を持ち上げることになるので体の負担が大きいのです。
また重心の高さだけでなく、体と地面(ベッド)の接している面が狭くなるために不安定となるため、安定させるために筋力を使うのです。
重心は低く、体が接している面が大きいほど安定しますが
安定すればするほど次に動くときには大きい力が必要となるのです。
そこで負担が大きい動きを最低限に抑えるために電動ベッドの導入はいかがでしょう?
電動ベッドであれば頭、背中をつけたままで座る姿勢に近いポジションまで体を持ち上げてくれるため負担が少ないのです。
電動ベッドは起き上がりだけでなく、褥瘡予防の体位変換や食事の際の誤嚥予防にも効果的です。
「どのような電動ベッドを選べばよいか?」ですか。
そうですね。
まず電動ベッドは大きく分けて
- ベッド全体が上下するもの(高さが変わる)
- 頭部分だけ動くもの(上体を起こすように動くもの)
- 頭部分と足部分が別々に動くもの(上体を起こすように動くだけでなく、足部分も膝を立てるように動くもの)
の3種類の動きがあります。
このうち1か所だけ動くものが1モーター。2か所の動きを持つものを2モーター。3か所すべての動きが可能なものが3モーターと呼ばれます。
起き上がり動作自体を自分で行えるのか、それとも誰かの介護が必要なのかによってオススメするベッドが変わります。
本人がある程度動けるのであれば、起き上がることだけをサポートするもの(頭部分が動き、上体をおこしてくれるもの)で十分かと思いますが、
介護用で使用するのであれば足部分も動くものをオススメします。2モーター(頭と足の2箇所が動く)と呼ばれるものですね。
理由としては、電動ベッドによって上体を起こす際にどうしても身体がずり落ちてしまうので、足部分を先に動かして膝を立てるような姿勢にすることでずり落ちを防ぎます。
ずり落ちを防ぐ起き上がりの介護方法は
- まずベッドの足部分を動かし、膝を立てる
- 次にベッドの頭部分を動かして上体を起こす
- 十分に起きてきたところで、ベッドの足部分を下げる
- 最後にベッドの端に座る(起き上がる)
この流れになります。
介護者の背が高い場合は高さが変わるものも良いですよ。3モーター(高さの調節+頭部分+足部分)と呼ばれるものですね。
理由としては介護の際に中腰で行うと腰を痛めてしまうからです。
介護は順序を誤ると、介護される側もする側も大きな負担となりますので順序はしっかりとマスターしておきましょう。
今回は電動ベッドについての話ですが、また介護方法についてもどこかでお話ししましょうかね。
最後に、電動ベッドは介護用以外でもありますが、介護に使用する場合は介護用を選んでください。介護者もベッドに体重を預けることがあるので耐久力の面で大きな差があります。
では今回はこの辺で。