失敗したくない。良い介護施設の見抜き方。
「悪い施設には入って欲しくない。」
もちろんです。
おそらくその思いは、ほとんどのご家族様や本人様が感じておられると思います。
今回は良い施設の見分け方をお伝えします。
これまで、現役の理学療法士として多くの施設や、施設で働く介護職員を見てきましたが
劣悪な施設や、全くプロ意識のない介護職員が存在することも事実です。
そしてそのような劣悪な施設は決して少なくありません。
良い施設を見抜くためには
- 設備投資をしっかりできているか
- 職員の言葉遣いや表情などコミュニケーション能力が長けているか
- 職員の所作が丁寧かどうか
これらのポイントを押さえて施設を選んでいただきたいです。
まず、設備投資がしっかりできているかどうかですが
介護分野の経営を考える上で設備が整っていないことは論外です。
介護を行う上でリスクはつきものですから、そのリスクを少しでも減らすために設備を整えることはとても大事なことなのです。
そのことを理解していない時点で、介護施設として不合格です。
ただ設備が綺麗かどうかを言っているわけではありません。
本当に介護に必要なものが揃っているのか、さまざまなパターン(症状)に対応できる設備かどうかが重要です。
たとえば、
トイレやお風呂など、手すりはあるが縦手すりが一つだけしかないとか、右側には手すりがあるのに左側にはないではサポートしきれません。
手すりの位置やトイレの配置はとても重要で、疾患によっては動作の自立度に直結します。
ほかにも、置いてあるソファが低すぎたり柔らかすぎて立ちにくい形状をしていたり、
椅子の種類がバラバラで、背もたれや肘掛けが不安定な形をしているなど
介護には不向きなインテリアを採用している施設は全く介護を理解できていない証拠です。
介護に必要な設備をしっかり整えているかどうかを見学の際に見ておきましょう。
次に、職員をしっかり見てください。
正直、介護福祉士の資格があるかどうかはほとんどあてになりません。
ただ資格を持っているだけで、まったく知識や技術を磨いておらず
自身の力量不足を、利用者様のせいにするような職員も存在します。
実際にそのような職員を数多く見てきました。「自分たちが世話してやってる」そんな姿勢がすごく不愉快です。
まずは職員の言葉遣いや表情など、コミュニケーション面を意識して見てください。
私たちの仕事は医療も介護も言葉一つ、表情一つで相手に大きな影響を与えます。
そこを蔑ろにしている職員はその時点で介護職員失格と言っても良いでしょう。
よく言えばフレンドリー
悪く言えば馴れ馴れしい
これは許されません。
言葉遣いや態度が崩れているのとフレンドリーは全く別物です。
利用者様やご家族様に対しての言葉遣いからある程度その職員の力量が測れます。
あとは所作の丁寧さを見てください。
所作が乱暴な職員は、介護方法も乱暴であることが多いです。
椅子をひくときや座る時、何か動作を行う際の細かな所まで丁寧さを意識できる職員かどうかがとても大切です。
この丁寧さで、介護の時に周囲や利用者様に対しての配慮ができる職員かどうかがわかります。
乱暴な介護はリスク回避が不十分で怪我をさせてしまったり転倒をさせてしまったりと様々な事故を引き起こします。
これらのことを見学の際に意識するだけでも施設選びが成功する確率が上がります。
今回の内容は施設側の経営陣ならびに職員にも読んでいただきたいです。これからの世の中選ばれる施設になるためには設備投資と人材育成は欠かせません。
資格を持っているだけで努力をしない人間を雇っていては施設や法人を潰しますよ。
全員が全員ではありません。中には自己研鑽を怠らない素晴らしい職員もいらっしゃいます。
施設を利用される際には素晴らしい職員に出会えることを願っています。
本来はどの施設を選んでも技術や知識が統一されていて欲しいところですが。そのための資格なので。
今回はこの辺で。
施設での生活も人生の一部ですよ。楽しい人生にしましょう。